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門屋家住宅
江戸時代・堀江の大庄屋

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この建物は、年代は定かではありませんが江戸時代に建てられたと思われます。
御施主様より建物調査のいらいを受け、拝見させていただいたところ、長年の経過による傾きと腐朽が見られました。

特に別棟の奥座敷には一目で分かるほどの大きな傾きと足元の腐朽が謙虚に現れており

減築して改修工事を施すことにしました。

お施主様にとりましても苦渋の決断となりましたが、何度も話し合いを重ね、

これまで重ねてきた歴史や落ち着きのある趣を残しながら今必要な強度と安全性の確保を第一に考えていきました。

改修にあたり解体工事をして初めて長い年月による劣化が予想以上だった部分もありましたが、

その時代の建物が日本風土に合った造りや材料選び、様々なことを肌で吸収させていただくことができました。
この改修によって住居としての機能を維持し長い期間「住み読ける家」として残していただけるのは何よりの喜びです。

ペンで書く

01

ご相談・現地調査

古民家修復の目的やご計画・ご希望についてお聞きします。
古民家を拝見して、現地で写真撮影などを行います。

02

解体工事

奥座敷棟を除いては、既存躯体を残したままの半解体となるため人力での作業となりました。長年の雨漏りによる腐朽で下地がないところもあり慎重に萱を落としていきます。大型ダンプ5台分の萱がありました。
屋根が終わると土壁を落とし構造材が見えてきました。あらかじめ時間をかけて調査をしていたので、腐朽ヶ所の仮補強を事前に行うことができ安全に解体工事を終了しました。

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03

大黒柱の不朽

調査の段階で、雨漏りによる影響で胴差部分と足元部分が腐朽しており根継加工では強度が持たないと考え大黒柱の差し替えを行うことにしました。

04

基礎工事とジャッキアップ工事

家全体を半間取り込んだところまでべた基礎打にして、柱の足元をスタイロで囲んでコンクリートを打設し、後に家全体を持ち上げる方法としました。
束石にはアンカーを入れており、ジャッキアップした後に柱を引き抜いたところにセメントで硬めました。

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40個ほどの個ほどのジャッキで少しずつ持ち上げ最終15センチほど上げました。筋交いは、基礎の鉄筋加工の際に土間にフックを埋め込んでおり、そこからチェーンで引っ張り合うようにして家の倒れを防ぎました。

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05

足固め工事

改修前に床下に入り柱の寸法をとり工場で刻みました。一本一本の柱の大きさが違うため全ての寸法をとらなくてはなりません。しかも仕口がバラバラです。
結局既存の材は連結されている仕口が傷んでおりほとんど使えないため、大部分をとり替えました。 一面刷りの丸太をそのまま使い、貫は落とし込み工法にしました。

06

梁、腐朽部分の取り替え

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07

大黒柱差し替え工事

差仕口が9か所あり順番に差していったのですが、向かい合わせの梁がありその片方だけ切断。後に台持ち継ぎで連結しました。

08

下屋根軸組

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​10

竹木舞、木小舞

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​12

連子格子

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​14

屋根工事

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​16

​井戸

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完成

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下大黒柱の差し替え

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​11

荒壁土寝かし

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​13

大屋根工事開始

大屋根軸組を組み換え三重梁小屋組みとしました。

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​15

無双窓

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​17

階段制作

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